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病気と症状について

Q1 成人T細胞白血病リンパ腫とは、どのような病気ですか?

HTLV‒1というウイルスが血液中のT細胞に感染することにより発症する、血液がんのひとつです。

ウイルスが原因で起こる病気

成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)は、HTLV‒1(→Q2)というウイルスが、血液中のT細胞(白血球の一種→Q3)に感染して、がん化することにより発症します。この病気は日本で発見されました。患者さんは九州や沖縄を中心とした、西南日本に多くみられます。

潜伏期間が長く、中年以降に発症する

日本では、毎年およそ1,000人がATLLを発症するといわれています。ウイルスに感染してから発症するまでには数十年かかるため、多くの方が高齢になってから発症します。発症年齢は60~70歳とされていますが、近年の高齢化によって、今後さらに高くなることが予想されます。

ATLLの治療法は進歩している

ATLLは治療がとても難しい病気ですが、同種造血幹細胞移植どうしゅぞうけつかんさいぼういしょく(→Q9)という治療法が有効であることがわかってきました。最近では新しい薬剤が開発され、治療の選択肢が増えてきています。

*:成人T細胞白血病リンパ腫(Adult T‒cell Leukemia/Lymphoma)はATLL又はATLと略されます。

Q2 ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV‒1)とは、どのようなウイルスですか?

HTLV‒1は、感染後数十年たった後にT細胞をがん化させ、ATLLを引き起こします。

HTLV‒1は、T細胞に感染すると、感染した細胞の中で長い間生き続けます。この感染したT細胞ががん化して、異常に増殖することによりATLLを発症します。感染から発症までの期間(潜伏せんぷく期間といいます)が長く、発症までは40~60年かかります。そのため、HTLV‒1に感染した人がATLLを発症する確率は、5%程度といわれています。

HTLV‒1の感染者と感染経路

HTLV‒1の感染者は、日本では約108万人と推定されています。以前は九州や沖縄地方に多いとされていましたが、最近では関東や関西などの大都市圏にも広がっています。

主な感染経路は、母子感染、性交渉、輸血による感染で、母乳による母子感染がもっとも多いといわれています。

母子感染
  • 妊婦健診で感染の有無を確認
  • 現在は感染予防対策がとられている
性交渉
  • 主に男性から女性に感染
  • 潜伏期間が長いため、成人してからの感染で発症したという報告はほとんどない
輸血
  • 献血時に感染の有無を確認
  • 現在は新たな感染はない

Q3 T細胞について教えてください。

免疫細胞のひとつで、体に入ってきた細菌やウイルスなどの異物やがん細胞から、体を守るはたらきをしています。

血液中にはいくつかの免疫細胞があり、総称して白血球と呼ばれています。これらの細胞は、ほかの血液中の細胞と一緒に骨の中心にある骨髄こつずいというところでつくられます。骨髄の中にはすべての血液のもととなる造血幹細胞ぞうけつかんさいぼうがあり、この造血幹細胞からいくつもの細胞に枝分かれして、最終的に赤血球、血小板、白血球となって血液中に放出されます。
T細胞は、白血球のうちのリンパ球と呼ばれる細胞のひとつで、他のリンパ球のはたらきを助けたり、体に入った異物やがん細胞を攻撃して取り除く「免疫」という役割を担っています。

Q4 ATLLでは、どのような症状がみられますか?

足のつけ根や首などのリンパ節がれたり、皮膚が赤く腫れ上がったりします。

HTLV‒1に感染し異常に増殖したT細胞(ATL細胞と呼びます)は、全身に広がり、さまざまな症状を引き起こします。発熱や全身のだるさなど風邪に似た症状があらわれ、足のつけ根や首などのリンパ節が腫れたり、発疹などの皮膚の症状がみられます。また、肝臓や臓が腫れることもあります。

発熱、全身のだるさ 皮膚の症状 肝臓、脾臓の腫大 リンパ節の腫れ

さまざまな合併症の症状があらわれる

ATLLでは、免疫機能の低下により感染症にかかりやすくなります。また、ATL細胞が血液中のカルシウム値を上げる物質を作り出すため、高カルシウム血症などの合併症の症状がみられることもあります。

免疫力低下による感染症 高カルシウム血症

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