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患者さん・ご家族の皆さま

検査と診断について

Q4 骨髄異形成症候群の診断には、どのような検査が行われますか?

問診や身体検査のほか、血液検査、骨髄検査が必須で、これらの結果にもとづいて診断されます。

検査法 確認する内容
問診・触診
  • あらわれている症状や所見、全身の状態
  • これまでにかかった病気と受けた治療(特にがんの治療)
血液検査
  • 血液細胞(赤血球、白血球、血小板)の数
  • 血液細胞の形態の異常、芽球の有無
  • 肝臓や腎臓などの機能
骨髄検査
  • 骨髄中の造血の状態、芽球の有無
  • 染色体異常の有無

<骨髄液の採取方法>

骨髄液は、腸骨ちょうこつ(腰の骨)や胸骨きょうこつ(胸の中央にある骨)から骨髄穿刺こつずいせんしによって採取されます。最初に局所麻酔を行った後、骨髄穿刺針を刺し、骨の中にある骨髄液を吸引します。麻酔は骨の中までは効かないため、吸引時に鈍痛を感じることがあります。

検査結果が示す内容については、「血液検査から何がわかりますか?」(→Q5)、「骨髄検査から何がわかりますか?」(→Q6)をご参照ください。

Q5 血液検査から何がわかりますか?

血液検査では、血液細胞の数、形態の異常、芽球の有無のほか、肝臓や腎臓などの機能を確認します。診断時の検査の目的は、他の病気ではないことなどを確認し、骨髄異形成症候群のタイプや進行度を判断することです。診断後の検査は、治療開始時期を決めたり、治療効果を調べたり、副作用がないかを確認するために行われます。

項目 基準値 わかること
造血機能 赤血球数:RBC(×104/μL) 男:410~530
女:380~480
減少した場合、貧血が疑われる
ヘモグロビン:Hb(g/dL) 男:13.5~17.6
女:11.3~15.2
ヘマトクリット:Ht(%) 男:36~48
女:34~43
赤血球容積:MCV(fL) 83~93 これらの値の組み合わせにより、貧血の種類が判定される
赤血球血色素量:MCH(pg) 27~32
赤血球血色素濃度:MCHC(%) 32~36
網状赤血球数:Ret(‰) 男:2~27
女:2~26
血小板数:PLT
(×104/μL)
男:13.1~36.2
女:13.0~36.9
減少した場合、出血しやすく、血が止まりにくくなる
白血球数:WBC
(/μL)
男:3,900~9,800
女:3,500~9,100
増加した場合、感染・炎症が疑われる
減少した場合、感染しやすくなる
好中球百分率:NE%(%) 男:27~70
女:28~72
白血球の種類の増減により、病気の種類と状態が判定される
好酸球百分率:EO%(%) 0~3
好塩基球百分率:BA%(%) 0~1
リンパ球百分率LY%(%) 男:19~59
女:18~58
単球百分率:MO%(%) 0~12
芽球 なし 増加した場合、骨髄異形成症候群の進行が疑われる
肝機能 AST(IU/L) 7~38 上昇した場合、肝臓の機能障害が疑われる
ALT(IU/L) 4~44
ALP(IU/L) 106~345
腎機能 尿素窒素:UN(mg/dL) 8~20 上昇した場合、腎臓の機能障害が疑われる
クレアチニン:Cr(mg/dL) 男:0.8~1.2
女:0.6~0.9
注意)
「基準値」は検査法や検査を行う施設によって異なるため、上記の「基準値」は参考とし、各施設の基準に従ってください。

Q6 骨髄検査から何がわかりますか?

骨髄中には、血液細胞がつくられている途中の細胞が数多く含まれているので、骨髄検査では、造血機能の状態を末梢血まっしょうけつ(腕などから採取した血液)での検査よりもくわしく調べることができます。診断時に行われる検査では、他の病気ではないことを確認し、骨髄異形成症候群のタイプや進行度を調べます。診断後に行われる検査では、治療開始時期や治療効果を確認したり、病気の経過を観察したります。

染色体異常は治療方針を決定する目安のひとつ

骨髄異形成症候群の患者さんの約半数は、染色体の一部に異常がみられます(一部が欠けている、1本多い・少ないなど)。骨髄検査によって染色体の状態を調べることができます。染色体異常の有無や種類は、病気の進行度や治療効果のあらわれやすさなどに関係するため、治療方針を決定する重要な目安のひとつとなります。

<染色体とは>

細胞の核の中にあり、遺伝情報が集約されています。ヒトの染色体は23対(46本)からなり、1番目から22番目までの対には番号がつけられています(例えば、5番目の対は5番染色体と呼ばれます)。残りの1対は性染色体と呼ばれます。

Q7 骨髄異形成症候群には、どのような種類がありますか?

骨髄異形成症候群のタイプ(病型)は、芽球の割合のほか、異常な血液細胞の種類などの特徴によって9つに分類されます。病気が進むとタイプ(病型)が変わることがあります。

タイプ(病型) 芽球の割合 特徴
血液中 骨髄中
1系統の異形成を伴う骨髄異形成症候群(MDS-SLD) <1% <5% 血球系(赤血球、白血球、血小板またはこれらの前段階の細胞)のうち1種類の血球に異形成がある
多系統の異形成を伴う骨髄異形成症候群(MDS-MLD) 血球系(赤血球、白血球、血小板またはこれらの前段階の細胞)のうち2種類以上の血球に異形成がある
環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群で1系統の異形成を伴う(MDS-RS-SLD) 環状鉄芽球(鉄が細胞内の核を取り囲む赤芽球のひとつ)が増加し、血球系(赤血球、白血球、血小板またはこれらの前段階の細胞)のうち1種類の血球に異形成がある
環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群で多系統の異形成を伴う(MDS-RS-MLD) 環状鉄芽球(鉄が細胞内の核を取り囲む赤芽球のひとつ)が増加し、血球系(赤血球、白血球、血小板またはこれらの前段階の細胞)のうち2種類以上の血球に異形成がある
5q単独欠失を伴う骨髄異形成症候群 5番染色体の一部が欠けている(ほかの染色体異常が1種類追加されている場合も含む)
芽球増加を伴う骨髄異形成症候群タイプ-1
(MDS-EB-1)
2~4% 5~9% 血液中、骨髄中の芽球が増加
芽球増加を伴う骨髄異形成症候群タイプ-2
(MDS-EB-2)
5~19% 10~19%
分類不能型骨髄異形成症候群
(MDS-U)
<1%または2回の測定で1% <5% 上記のどれにも当てはまらない
小児の不応性血球減少 <2% <5% 小児で発症している骨髄異形成症候群

Arber DA, et al.: Blood 127: 2391‒2405, 2016

「異形成」とは、細胞の形や様子が異常に変化し、機能が不完全になることです

芽球が20%を超えると急性骨髄性白血病と診断

血液あるいは骨髄での芽球の割合が20%を超えると、急性骨髄性白血病と診断され、これに応じた治療が行われます。

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