レブラミドを服用される
患者さん・ご家族の皆さま

治療について

Q8 治療方針を決定する基準はありますか?

治療方針は、骨髄異形成症候群のタイプと芽球の割合、染色体異常、血液細胞の減少程度などをもとにした重症度(リスク)分類に加え、年齢、全身の状態、本人の意向によって決定されます。

予後因子をもとにしたリスク分類

骨髄中の芽球の割合、染色体異常、減少している血液細胞の種類や程度は、骨髄異形成症候群の経過の見通し(予後)を予測する目安(予後因子)であることがわかっています。そのため、これらを点数化し、病気の進行及び急性骨髄性白血病に移行するリスクで分類します。そして、これに症状、年齢、全身の状態、本人の意向などを考慮して、治療方針が決定されます。

(1)予後因子を点数化する

(2)必要に応じてスコアを補正する

(3)予後因子のスコア、または補正値からリスクを分類する

リスクの程度や症状、年齢、患者さんの全身の状態、ドナー(→Q11)の有無

治療方針を決定

Q9 骨髄異形成症候群の治療にはどのようなものがありますか?

骨髄異形成症候群の治療は、急性白血病に移行するリスクによってその方針が異なります。低リスクで臨床症状がない場合は経過観察になります。臨床症状がある場合は血液細胞の減少を改善することを目標として治療が行われます。高リスクでは、急性白血病への移行を遅らせることを目標として治療が行われます。また、リスクにかかわらず、貧血症状の改善や感染症の対策として支持療法が行われます。造血幹細胞移植(→Q11)は骨髄異形成症候群の治癒を目指す治療として一部の方に実施されています。

Q10 新規薬剤も含めた薬物治療について教えてください。

新規薬剤によって貧血と染色体異常を改善する

近年、血液細胞の減少を改善する新規薬剤が相次いで登場しました。
5番染色体長腕部欠失を伴い赤血球輸血を必要とするおもに低リスクの患者さんの貧血や染色体異常の改善が期待できる新規薬剤、貧血の改善が期待できる新規薬剤(赤血球造血刺激因子)、おもに高リスクの患者さんに用いられる新規薬剤が使われています。これらの新規薬剤により、骨髄異形成症候群の治療成績は進歩しています。
以前は抗がん剤を用いる化学療法が治療の中心でしたが、新規薬剤の登場により治療の考え方が変わってきました。こうした薬剤は抗がん剤とは違った機序で効果を発揮していると考えられています。

化学療法によって芽球を減少させる

化学療法とは、抗がん剤を用いて芽球を破壊して減少させ、病気の進行を抑える治療法です。抗がん剤は、一般的に悪い細胞を破壊すると同時に、正常な細胞まで破壊してしまうため、もともと血球が少ない状態を悪化させたり、さまざまな副作用を引き起こすことがあります。これらの副作用に対しては、必要に応じて対策を講じながら治療が進められます。

Q11 造血幹細胞移植について教えてください。

造血幹細胞移植は、治すことが期待できる方法

造血幹細胞移植は、通常の何倍もの強力な化学療法や全身への放射線療法を行って(前処置と呼ばれます)、骨髄中の異常な造血幹細胞を完全に破壊した後、正常な造血幹細胞を移植して、造血機能を回復させる治療法です。現時点では、骨髄異形成症候群を治すことが期待できる唯一の方法です。ただし、適応には条件があり、病状もあわせて慎重に実施が決定されます。また、移植に伴って感染症やGVHD(移植片対宿主病いしょくへんたいしゅくしゅびょう:移植した細胞が患者さんの細胞を攻撃すること)が起きたり、移植後の再発などのリスクを伴うのも事実です。
なお、前処置の化学療法と放射線療法を弱める一方で、免疫抑制剤を強めた「ミニ移植」が行われています。これは、これまで造血幹細胞移植を受けられなかった高齢の方や心臓病などを持つ患者さんへの適応が広がる可能性がある治療法です。しかし、上述の移植と同様リスクを伴います。

Q12 支持療法にはどのような治療方法があるのですか?

骨髄異形成症候群によるさまざまな症状や、治療による副作用を緩和するために行われる治療が支持療法です。貧血症状が出た場合の赤血球輸血、出血に対する血小板輸血、感染症を合併した場合の抗生物質などの投与といった治療が行われます。支持療法は、低リスクだけでなく、高リスクの骨髄異形成症候群でも行われます。

赤血球・血小板を輸血

貧血による症状や体の負担が著しい場合には、赤血球輸血が行われます。その目安は、ヘモグロビン値が7~8g/dL以下とされています。通常、1回に200~400mL輸血します。
血小板が減少することによって、血が止まりにくい、出血しやすいなどの症状がある場合には、通常、血小板数が5,000~20,000/μLを目安に血小板輸血を開始します。

輸血のおもな副作用は発熱、皮膚のかゆみ、湿疹など

輸血前には交差適合試験が行われ、輸血する血液と患者さんの血液を試験管内で混ぜても異常が起こらないことを確認します。しかし、それでも実際に輸血を行うと、血液製剤が体に合わずに、発熱したり、皮膚のかゆみや湿疹が出たり、血圧が低下するなどの症状があらわれることがあります。

輸血後の鉄過剰症には鉄キレート療法

赤血球の輸血をくり返すと、体内に入った赤血球中の鉄分の排泄が追いつかなくなり、過剰に蓄積した鉄分によって肝臓や心臓などに障害が生じることがあります。この状態を輸血後鉄過剰症といいます。このような場合は、過剰となった鉄分を除去する薬剤(キレート剤)を用います。

白血球減少には、経過観察あるいはG‒CSFを投与

白血球が少なくなると、感染症を起こしやすくなりますが、白血球は輸血で補うことができません。治療として、白血球の産生を活発にさせる顆粒球コロニー刺激因子(G‒CSF)製剤が用いられることもありますが、治療せずに経過観察をする場合もあります。また、感染予防のために抗生物質などの薬剤が処方されることがあります。

感染症対策

感染症にかかってしまった場合は、十分な抗生物質を用いた治療などが行われます。急な発熱や寒感があったり、排尿時に痛みを感じたりする場合は、医師に相談してください。

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