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患者さん・ご家族の皆さま

検査と診断について

Q4 多発性骨髄腫の診断には、どのような検査が行われますか?

診察のほか、血液検査、尿検査、骨髄検査及び画像検査が行われ、骨髄腫細胞の有無とともに、それに伴う体への影響が確認されます。

基本的な検査

検査法 確認する内容
診察
  • これまでにかかった病気と受けた治療(特にがんの治療)
  • あらわれている症状、全身の状態
血液検査
  • 血液細胞(赤血球、白血球、血小板)の数
  • M蛋白、それ以外の蛋白、抗体の量や型
  • カルシウム量
  • 肝臓や腎臓などの機能
  • 遊離軽鎖ゆうりけいさ(フリーライトチェーン)の量や種類(FLC検査→Q6
尿検査
  • M蛋白、それ以外の蛋白の有無
骨レントゲン検査
  • 骨の状態(骨折の有無、骨のもろさ)

多発性骨髄腫に特徴的な頭蓋骨の打ち抜き像(矢印)

多発性骨髄腫に特徴的な
頭蓋骨の打ち抜き像(矢印)

<M蛋白の検査>

蛋白分画たんぱくぶんかく検査によって、血液や尿中に含まれている蛋白の種類分けをして、M蛋白が含まれているか確認します。他の検査でM蛋白(抗体)の種類を確認し、IgG型、IgA型などと診断されます。

専門的な検査(確定診断、進行度を判定)

検査法 確認する内容
骨髄検査
  • 骨髄腫細胞の有無

<骨髄液の採取方法>

骨髄液は、腸骨ちょうこつ(腰の骨)から骨髄穿刺こつずいせんしによって採取されます。最初に局所麻酔を行った後、骨髄穿刺針を刺し、骨の中にある骨髄液を吸引します。麻酔は骨の中までは効かないため、吸引時に鈍痛を感じることがあります。

画像・その他の検査
  • X線(レントゲン)、CT、MRI 、PETなどの画像検査で、骨や他の臓器の状態などをより詳細に調べます。
血液検査結果が示す内容については、「血液検査から何がわかりますか」(→Q5)をご参照ください。

Q5 血液検査から何がわかりますか?

血液検査では、M蛋白の有無や量の変化、造血、肝臓や腎臓の機能、また骨の破壊の進行度などが確認できます。また、病気の診断だけでなく、治療の開始時期や治療効果、副作用などたくさんの情報が得られます。

項目 基準値 わかること
造血機能 赤血球数:RBC(×104/μL) 男:410~530
女:380~480
減少した場合、貧血が疑われる
ヘモグロビン:Hb(g/dL) 男:13.5~17.6
女:11.3~15.2
血小板数:PLT(×104/μL) 13.0~36.0 減少した場合、出血しやすく、血が止まりにくくなる
白血球数:WBC(/μL) 4,000~9,000 増加した場合、感染・炎症が疑われる
減少した場合、感染しやすくなる
肝機能 AST(IU/L) 7~38 上昇した場合、肝臓の機能障害が疑われる
ALT(IU/L) 4~44
ALP(IU/L) 106~345
腎機能 尿素窒素:BUN(mg/dL) 8~20 上昇した場合、腎臓の機能障害が疑われる
クレアチニン:Cr(mg/dL) 男:0.8~1.2
女:0.6~0.9
項目 基準値 わかること
蛋白の状態 総蛋白:TP(g/dL) 6.7~8.3 増減により、病勢が判定される
アルブミン:A(g/dL) 3.8~5.3
蛋白分画比
  • アルブミン(%)
  • α1グロブリン(%)
  • α2グロブリン(%)
  • βグロブリン(%)
  • γグロブリン(%)
 
  • 62~71
  • 2.8~4.1
  • 5.7~9.9
  • 6.1~10.7
  • 9.0~18.3
M蛋白の有無や量が判定される
M蛋白
  • IgG(mg/dL)
  • IgA(mg/dL)
  • IgD(mg/dL)
 
  • 870~1,700
  • 110~410
  • 0~13
それぞれの蛋白の増減により、病気の型や進み具合が判定される
β2ミクログロブリン(mg/L) 0.8~2.0 増減により、進み具合が判定される
遊離軽鎖:FLC-κ(mg/L) 3.3~19.4
遊離軽鎖:FLC-λ(mg/L) 5.7~26.5
骨の状態 カルシウム:Ca(mg/dL) 8.5~10.2 増加した場合、骨の破壊が進行している
NTX

I CTP

BAP 低下した場合、骨の形成が遅れている
オステオカルシン(OC)
その他 CRP(μg/mL) <0.6 増加した場合、感染・炎症が疑われる
LDH(U/L) 106~220 上昇した場合、多発性骨髄腫の進行が疑われる
尿検査で確認されます。
注意)「基準値」は検査法や検査を行う施設によって異なるため、上記の「基準値」は参考とし、各施設の基準に従ってください。

Q6 多発性骨髄腫は、どのように診断されますか?

骨髄腫は、M蛋白や骨髄腫細胞の量、症状の有無などをもとにいくつかの病型に分け、治療開始時期などをみきわめます。なお、病気が進むと分類が変わることもあります。

IMWG(国際骨髄腫作業グループ)分類(2014年)

種類 M蛋白 骨髄中の骨髄腫細胞 特徴
意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS) M蛋白型 血清3g/dL未満 10%未満 少量のM蛋白がみられるが、症状はなく多発性骨髄腫に進行する可能性がある
軽鎖型 尿500mg/日未満FLC検※1で軽度異常 10%未満
くすぶり型骨髄腫 血清3g/dL以上、または尿500mg以上 10~60% 臓器障害の症状はないが、M蛋白や骨髄腫細胞が一定の割合で存在し、多発性骨髄腫に進行する可能性がある。
多発性骨髄腫 血清3g/dL以上、または尿500mg以上FLC検※1で異常 10%以上(症状がない場合60%以上) 臓器障害の症状がある、または臓器障※2の症状がなくても一定量以上の骨髄腫細胞が存在するなどの基準を満たした場合、治療を要する。

その他の骨髄腫

種類 M蛋白 骨髄中の骨髄腫細胞 特徴
孤立性形質細胞腫 ± なしまたは10%未満 骨や骨以外の場所に骨髄腫細胞の塊ができるが、臓器障害による症状はない。一部は多発性骨髄腫に進行する。
*1
FLC検査は、M蛋白の一部であるFLC(遊離軽鎖:フリーライトチェーン)の量や種類を測定する検査です。
血液検査では、FLC‑κ、FLC‑λという項目がFLC検査にあたります。
*2
臓器障害とは、以下(CRABクラブ)の1つ以上がみられることです。
C:高カルシウム血症  R:腎障害  A:貧血  B:骨の病変

Rajkumar SV et al.: Lancet Oncol 15: e538-548, 2014

Q7 進行度(ステージ)を決定する基準はありますか?

多発性骨髄腫では、アルブミン値とβ2ベータツーミクログロブリン値(→Q5)、また骨髄腫細胞の増加などをもとに、病気の進み具合(進行度:ステージ)を決定し、今後の病気の経過の予測や、治療方針の参考にしています。

国際病期分類(ISS)

臓器障害による症状、染色体異常などからも経過を予測

アルブミン値、β2ミクログロブリン値のほか、病気の型、臓器障害による症状などは、多発性骨髄腫の経過の見通しを予測する目安(予後因子)であることがわかっています。そして、これに、年齢、患者さんの体の状態や意向などを考慮して、治療方針が決定されます。

Durieデューリー & Salmonサーモン病期分類

ステージに、AあるいはBをつけて分類されます(例:ステージIA)。
このステージは体内の骨髄腫細胞の数を反映します。

Durie BG & Salmon SE: Cancer 36: 842-854, 1975

こつずいしゅ通信 多発性骨髄腫の治療を前向きに行っていただくために、患者さんと患者さんのご家族を応援するサイトです。病気のこと、生活のこと、病気とどう向き合っていくかなど、幅広く情報を掲載いたします。こつずいしゅ通信 多発性骨髄腫の治療を前向きに行っていただくために、患者さんと患者さんのご家族を応援するサイトです。病気のこと、生活のこと、病気とどう向き合っていくかなど、幅広く情報を掲載いたします。

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